いくら体にいいものを食べても、腸の働きが悪ければ効果がない?
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肌は腸を映す鏡
「吹き出物ができたり、痒みが出たり、肌の調子が悪い時に、便秘になったり、オナラが臭ったり、お腹の調子も悪い…。」
私たちの体はちくわのような構造(=焼き目が皮膚で、穴の部分が口から肛門)をしています。つまり、皮膚と腸は繋がっていて、腸内環境は肌の状態に直結していると言われています。
近年、「腸活」が肌や身体だけでなく心の健康にも良い影響を与えることがわかってきました。
若々しさだけでなく幸福度や性格まで左右する「腸」。より長く、自分の力で自由に、心身ともに健康的な生活を送るために、まずは腸を深く知ることが大切です。
消化と吸収のしくみ
食べ物は、デンプンやタンパク質などの高分子化合物なのでそのままでは血液の中に取り込むことができません。消化管で低分子化合物まで分解されること(=消化)で、血液に取り込むこと(=吸収)ができるのです。
だ液でデンプンを分解し、胃液でタンパク質の一部を分解。腸では、すい臓からのすい液により、デンプン類やタンパク質のすべてを分解し、胆汁により脂質を水溶性にして、すい液で分解します。消化された栄養素は、主に小腸から吸収されます。栄養素の多くは毛細血管から肝臓に集められ、必要に応じて静脈から心臓を通って全身へ運ばれます。小腸で吸収されなかった物質は大腸へ運ばれて便として排泄されます。
腸内細菌が消化を助ける
食物繊維やオリゴ糖は、ヒトが持つ消化酵索では分解できません。消化・吸収されないまま腸まで届いて、腸の中にいる腸内細菌(善玉菌)のエサになります。善玉菌は、これらを食べて分解する際に、乳酸、短鎖脂肪酸(酪酸・プロピオン酸・酢酸)、ビタミンなど、健康に欠かせない有用成分を作るのです。
万病撃退!腸は最大の免疫器官
人体の構造はまるでちくわのように、口から肛門までが一本の管になっていることから、消化管は体外であると言えます。口から入るものには、ウィルスや病原菌などの感染源も含まれるため、腸までの消化管は、常に外敵の脅威にさらされているのです。胃酸によって死滅しなかった病原菌は、小腸に到達し、腸管免疫に取り込まれて退治されます。免疫システムを担う免疫細胞の約6割が集中する腸は、免疫を司る「最大の免疫器官」なのです。
腸が弱っていると、健康にいいものを食べても効果がない!?
「糖尿病予防に玄米がいい」
「トマトが美肌にいい」
「納豆が血栓予防にいい」
これさえ食べればよい、そんな万能な食べ物など存在しませんが、どれだけ健康にいい食べ物が体内に入ってきても、腸が正しく機能しなければ「その食べ物の真の効果」を発揮することはできません。
消化や吸収の最重要部位である「腸」がベストコンディションになっていれば、身体の隅々に必要な栄養が行き渡ります。食べ物の消化・吸収の90%以上を担う小腸、小腸から送られた不要物から水分やミネラルを吸収し便をつくり排泄する大腸。
理想の便が出るということは、腸が元気で、有害なものを体外へ押し出す力が維持できている証拠です。
日々、うんちの状態をチェックする習慣をつけましょう。
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