【納豆博士が解説】本当に効果はある?「納豆ダイエット」と「酢納豆」を解説!

SNSなど流れる納豆に関するウワサ話。今回は健康・美容効果についての噂を解説します。
「納豆ダイエット」の効果はある?

納豆ダイエットが一時期テレビなどで話題になり、スーパーから納豆が消えたこともありました。このウワサは本当なのでしょうか?
答えは「一部ホント」。
基本的に、完全食に近いと言われるほど栄養価が高い納豆。食べれば相応の栄養素とカロリーを摂取することになります。100gあたりの栄養成分表はこちらです。納豆1パックが40~50gですので、約80~100kcalになります。
可食部100g当たり | ひきわり納豆 | 粒納豆(糸引き納豆) | 牛肉(もも 焼き) | 豚肉(ばら 焼き) |
---|---|---|---|---|
エネルギー | 185kcal | 190kcal | 313kcal | 444kcal |
たんぱく質 | 16.6g | 16.5g | 25.0g | 16.5g |
脂質 | 10.0g | 10.0g | 27.6g | 43.9g |
炭水化物 | 10.5g | 12.1g | 0.5g | 0.1g |
食物繊維 | 5.9g | 6.7g | 0g | 0g |
ただし、納豆に含まれる脂質は、植物由来。植物性油脂は動物性油脂に比べて体に残りにくく、肥満になりにくいと言われています。つまり同じ量の肉を食べることに比べれば、太りにくい(脂肪がつきにくい)食品と言えるでしょう。
また、タンパク質は、吸収の良い状態になっていますので、速やかに吸収され、余剰分は速やかに排泄されます。
炭水化物である食物繊維も水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでおり、腸内細菌の活動をサポートするとともに、お腹の調子を整えてくれます。
「納豆」は、総合的に太りにくい食品であることは事実です。
「納豆」の太りにくいポイント
- 納豆の脂質は、植物性油脂のため、肥満になりにくい。
- タンパク質が吸収しやすい状態になっている。
- 水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の両方が含まれており、腸内環境を整えてくれる。
「酢納豆」は健康にいい?

納豆に酢(醸造酢、果実酢、穀物酢など)と調味料(納豆のタレ、醤油など)を加えたものが「酢納豆」。最近、レシピサイトなどで注目されているそうです。酢納豆は健康にいいというウワサは本当なのでしょうか?
答えは「一部ホント」。
酢を加えることで、納豆中に含まれる鉄分やカルシウムの吸収を助けてくれる効果が期待されます。
また、疲労回復に効果のある〝クエン酸〟も摂取することができます。
さらに、納豆と酢の両方には高血圧を予防する効果が期待されています。
ただし、酸(酢)に不安定なパントテン酸、葉酸、ナットウキナーゼは失われてしまいます。
パントテン酸や葉酸は他の食品から補う必要があります。ナットウキナーゼの摂取を期待して納豆を食べる場合は、しない方がいい食べ方になります。
「酢納豆」のポイント
- 鉄分やカルシウムの吸収を助けてくれる。
- 疲労回復効果のあるクエン酸を摂取できる。
- 納豆と酢には高血圧予防効果がある。
- パントテン酸、葉酸、ナットウキナーゼは摂取できなくなるので注意。

小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/九州大学大学院特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。