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【納豆博士が解説】発酵食品をつくる微生物の種類とは?

納豆博士:小笠原 和也 そのもの納豆

発酵には、様々な微生物が関わっています。今回は、発酵に関わる微生物の種類についてお話しします。

発酵に関わる微生物たち

微生物とは、動物、植物には分類されない生物(原生生物)で、肉眼で見ることができない生物の総称。肉眼で見ることのできる大きさは、0.1 mm よりやや大きい程度と言われています。
この、目には見えないけれど、大きな働きをしている微生物のうち、発酵に関わる微生物の種類について解説します。

カビ(糸状菌):麹菌、アオカビ、紅麹など

カビは、微生物の中では比較的大きな生物で、0.01 mm(10 μm)前後の大きさです。菌糸(きんし)という糸状の細胞から、柄のような細胞を分岐させ、その先端に種々の形や色の胞子((ぶん)生子(せいし)胞子(ほうし)(のう)胞子(ほうし))を作ります。この胞子は生育に良好な環境になれば発育し、菌糸体となり新たな細胞へと成長して行きます。カビはその形態から様々に分類されていますが、ここでは省略します。

日本人に最も馴染みが深いのは Aspergillus(アスペルギルス)属のカビ。和名を「麹菌」と言います。

味噌、醤油、日本酒の発酵に欠かせない「黄麹カビ」、焼酎・泡盛の発酵に欠かせない「白麹カビ」、「黒麹カビ」。それぞれの色は胞子の色を表しています。食品以外にも、医薬品や食品加工に使用される酵素製剤の製造にも利用されています。また、かつお節の製造に使われるカビも同じ属のカビです。

その他にも、和名で「アオカビ」と言われる Penicillium(ペニシリウム)属のカビはロックフォールチーズなどのブルーチーズやカマンベルチーズの製造、抗生物質のペニシリン類の製造にも使われています。

「紅麹」は、Monascus(モナスクス)属のカビで作られ、同じ属のカビは豆腐よう(豆腐を使った沖縄の発酵食)や海外のお酒造りに使われています。

中国や東南アジアで麹として使用されているのは、Mucor(ムコール)属、Rhizopus(リゾープス)属、Absidia(アブシジア)属のカビです。インドネシアの大豆発酵食品〝テンペ〟もリゾープス属のカビで作られます。この他にも数多くのカビが、様々な発酵食品や医薬品などの製造に使われています。

酵母:パン酵母、ビール酵母など

カビの次に大きく、0.01 mm(10 μm)弱の球形又は楕円形の単細胞の生物です。一部に三角形や円筒状の形態を取るものもいます。

主に、出芽という分裂によって増殖します。酵母とは「発酵のもと」という意味で、発酵を行う上で欠かせない極めて重要な生物です。糖を食べて、アルコールや香り成分であるエステル類などを作ります。パン酵母やビール酵母といった名前を知っている人は多いと思います。

パン酵母はパン生地を発酵させる時に、ビール酵母はビールの発酵(醸造)に使われる酵母ですが、これらと日本酒、ワインなどのお酒の発酵(醸造)に使われる酵母はほぼ全て同じで、Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビジエ)という酵母です。

また、ビール酵母を主成分とする栄養補助食品や酵母エキス(酵母を分解した調味料)などとしても利用されています。同じビールでも、エールなどの上面発酵ビールは同じ属の異なる種の酵母が使われます。

同様に、味噌や醤油の醸造には、同じ属でも塩分濃度が高い環境を好む酵母が使われています。味噌、醤油、ぬか漬けなどの発酵には複数の酵母が働いており、複雑で豊かな香りや味を作り出しています。同じく、チーズ、ヨーグルト、ソーセージ作りなどにも寄与しています。

細菌(バクテリア):納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌、酢酸菌、酪酸菌など

0.001 mm(1 μm)前後の小さな単細胞の生物です。色々な分類の仕方がありますが、形態的には、棒状の桿菌、球状の球菌、らせん菌などに、生育環境的には、酸素が必要な偏性好気性菌、酸素が少ないか無い環境を好む通性嫌気性菌、空気が不要な偏性嫌気性菌(場合によって、微好気性菌の分類を含む場合もあります)などに分類されます。

カビや酵母よりも古い時代(約40億年前)から生息していたとされ、土壌や水中、空気中などの環境に広く分布し、ヒトや動物の皮膚、消化器官にも生息しています。

温泉や深海などの極限環境にも生息していますが、近年、これらは古細菌(アーキア)として区別されています。分裂によって増殖し、カビ・酵母に比べて分裂(生育)するスピードが早いのが特徴です。納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌、酢酸菌、酪酸菌など比較的有名な菌が多くいます。

特徴的な発酵菌としては、「くさや(の干物)」発酵を行う シュードモナス属(漬け汁中にいる海洋由来の細菌)、テキーラの発酵(アルコール生産)を行う ザイモモナス属などもいます。その他にも、アミノ酸、ビタミン類、核酸類の発酵生産、診断薬や酵素製剤の生産などにも利用されています。

放線菌:抗生物質や抗がん剤に使用される

細菌とカビの中間的な生物です。細胞は糸状でカビに近いのですが、菌糸の幅が細菌と同程度と細い特徴があります。多くは土壌中に生息しています。一般の方は聞き慣れない名前だと思います。

発酵食品の製造に使われることはありませんが、ストレプトマイシン、テトラサイクリンなどの抗生物質や抗がん剤などの生産菌として役立っています。現在では、分類学上は細菌の一部とされる場合もあります。

参考文献・サイト

1) 村尾澤夫・藤井ミチ子・荒井基夫 共著『くらしと微生物』,培風館,1993
1)食品と微生物 : 食品加工に関係ある微生物
https://rose-ibadai.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=16461&item_no=1&page_id=13&block_id=21
3)文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/08111918/002.htm
4) カビと細菌、何が違う?
https://kabi.co.jp/difference-kabi-and-bacteria/
小笠原 和也

小笠原 和也 
そのもの株式会社学術顧問/九州大学大学院特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

小笠原 和也

小笠原 和也 
そのもの株式会社学術顧問

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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