MENU

sonomono®人気商品

レビュー投稿キャンペーン実施中です!

納豆の健康成分に新発見!発酵で増える「超硫黄化合物」とは?

目次

納豆の健康成分に新発見!発酵で増える「超硫黄化合物」

納豆菌、ナットウキナーゼ、ポリアミン、5-アミノレブリン酸(5-ALA)、ビタミン K2、ポリグルタミン酸、イソフラボン、納豆ペプチド、etc…

納豆の中には数多くの有用な物質が含まれていることが知られています。これらに加え、新たな健康効果を示す物質が報告されました。それが、「超硫黄化合物」です。

2026年1月14日に大阪公立大学からニュースリリースが発表されました。

表題は、「納豆の健康効果に新たな根拠 ~発酵過程で超硫黄分子が劇的に増加~」というものです。

納豆中に超硫黄化合物が含まれていることは先行する研究で報告されていましたが、納豆菌の力で増加することが初めて明らかになりました。

納豆菌が超硫黄化合物を増やすことが明らかに

本研究は、理学研究科の居原秀 教授のグループによる研究で、納豆の発酵過程で超硫黄化合物の含量が 5 ~ 6倍に増えることが明らかとなりました。

居原教授の研究室で発酵させた納豆では、原料である乾燥大豆中の超硫黄化合物含量が約 25μg/g であるのに対し、蒸煮工程で増加し、発酵2日目で約 130 μg/g(約5倍)、発酵6日目に約 160 μg/g(約6.4倍)に増加することが報告されています(注:納豆も乾燥重量当たりの含有量で示しています)。

超硫黄化合物含量
乾燥大豆25μg/g
発酵2日目約 130 μg/g(約5倍)
発酵6日目約 160 μg/g(約6.4倍)

さらに、大豆中の超硫黄化合物は不溶性画分に存在したが、発酵により可溶性画分へシフトし低分子化も行われたことが明らかとなりました。これは、より吸収しやすくなったことを示すものです。

なお、大豆は、フクユタカ、ユキシズカ、スズオトメの 3種類で分析されており、品種間での超硫黄化合物含有量の差はみられなかった。市販納豆では、商品ごとにバラツキはあったものの、乾燥大豆よりは多く含有されていたとも報告されています。

超硫黄化合物とは?健康維持や疾病予防効果に期待の抗酸化成分

「超硫黄化合物」とは?

システインというアミノ酸の一つに、硫黄原子が一つ結合したシステインパースルフィドや、複数結合したシステインポリスルフィドなどの分子の総称です。システインの他に、グルタチオンに硫黄が結合したグルタチオンパースルフィドなども知られています。

※なお、アミノ酸の中で、構造中に硫黄分子を含んでいるのはシステインとメチオニンだけですが、超硫黄化合物として働くのは主にシステインです。

超硫黄化合物は、近年、健康維持や疾病予防効果に注目が集まっている物質です。

強い抗酸化力を示し、酸化ストレス(体がサビやすくなっている状態)から身体を守る、生物学的に重要な代謝産物であることがわかっています。

さらに、超硫黄化合物は非アルコール性脂肪性肝疾患、アテローム性動脈硬化、神経疾患などの慢性疾患の抑制に寄与することも報告されています。

超硫黄化合物は腸内細菌によってつくられ、ヒトの健康を守ってきた

超硫黄化合物は腸内細菌によって作られ、ヒトに供給されていること、腸から全身に運ばれ、ヒトの抗酸化ストレス能の強化に寄与する可能性が報告されています。

腸内細菌を死滅させたマウスでは超硫黄化合物濃度が低下

動物を用いた試験では、抗生物質の投与により腸内細菌を死滅させたマウスで、血液中のシステインパースルフィドやグルタチオンパースルフィド濃度(超硫黄化合物濃度)が明らかに低下していたとの報告があります。

腸内細菌を定着させたマウスでは超硫黄化合物濃度が上昇

同様に、腸内細菌を持たない無菌マウスと、無菌マウスに人工的に腸内細菌を定着させたマウスの比較でも、腸内細菌を定着させたマウスの方が血液中の超硫黄化合物濃度が上昇していたとの報告もあります。

これらのことから、超硫黄化合物は、腸内細菌によっても作られ働いていることがわかりました。

つまり、超硫黄化合物は今までも人知れず腸内で作られ、我々の生理機能に影響を与え、健康維持や病気予防に寄与していたのです。

また、超硫黄化合物は細胞内でタンパク質の維持やシグナル伝達など、多彩な細胞機能の制御に関わっていることもわかっており、腸内細菌自身にとっても重要な役割を果たしていることが予想されています。

納豆菌の新たな発見に期待

ヒトの体の中における超硫黄化合物の働きに関する研究が本格的に始まったのは、2010年代後半からであり、詳細はまだわかっていません。今後、さらに研究が発展して行くと期待されます。

今回は、超硫黄化合物が納豆菌の力で増加することが初めて明らかになりました。

まだまだ新しい発見が続く納豆。そして明らかになる納豆菌の力。今後も益々期待が持てます。今度は、どのような科学的エビデンスが示されるのか、ワクワクが止まりません。

参考文献

1) 納豆の健康効果に新たな根拠 ~発酵過程で超硫黄分子が劇的に増加~ :大阪公立大学プレスリリース,2026年1月14日
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-21944.html
2) T. Ida et al. Dynamic transformation of the sulfur metabolome during natto fermentation: Supersulfide omics study, Nitric Oxide, 160, 14-23 (2026)
3) 中川秀彦. 超硫黄分子の化学的特性の考察, 生化学, 93 (5), 596-603 (2021)
4) 秋山雅博. 超硫黄分子の新たな供給源としての腸内細菌叢とその役割, 生化学, 96 (1), 91-95 (2024)
この記事の監修者
納豆博士|小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問・九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

小笠原 和也

そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

略歴・著書・論文実績等 詳細へ

よかったらシェアしてね!
目次