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九州佐賀県のほぼ中心に位置する江北町(こうほくまち)は、古くから米や大豆など農業が盛んで、1980年代(昭和60年代)から有機農法(農薬・化学肥料不使用)を始めた〝スローフードの町〟として有名な町。
そこで長年、江北町有機研究会として日本の食を支えてきた北原農園を取材させていただきました。今回取材させていただいた北原さんは、義理のお父さまと二人三脚で、農薬や化学肥料に頼らない農業に取り組んでいます。
初めて北原家の「農薬・化学肥料不使用で作られたお米」を食べたときの感動が忘れられず、
〝もっと多くの人に知ってもらいたい。次の世代にも残していきたい。〟と農家を継ぐ決心をされたという北原さんに、これからの農業にかけていく思いを語っていただきました。

『初めて食べたお父さんの作った〝農薬や化学肥料を使わず作られたお米〟は全然味が違ったんです。これが本当のお米の味なんだって。風味というか、素材の味がしっかりあって。今までは普通にスーパーでお米を買って、ひとり暮らしの時はお金がないから安い米を買ったりして…。本当に全然味が違う!って感動しました。嫁さんやお父さん、お母さんに〝本当に美味しくて好き!〟って話しても、それが当たり前やけん、『そうかい?』くらいの反応でしたね(笑)。』
実は、北原農園を継ぐ前は、大学からずっと知的障害者支援が専門だったという北原さん。
『元々農業に全く興味はなかったんです。子育てをする環境とか考えたら、奥さんの実家に近いほうが奥さんは楽だろうなー、っていう感じで佐賀に引っ越して来ました。後継者がいないって言われて、〝誰かがせんばなら俺がせんばたい。〟くらいの気持ちで始めたんです。』
なんと、佐賀に引っ越してくるまでお米を作っている農家ということすら知らなかったという北原さん。
このあと、農業の過酷さを身を持って知ることになります。
『自分は、もともとアウトドアというか外での仕事は大嫌いで。ずーっと家の中で本読んでおきたいくらいすごいインドアなんです。もう最初の2年間は、毎日毎日奥さんに愚痴ってました。休みないし、体はきついし、お父さん怖いし。トラクターの運転を上手にできないときに、そがん言うかってくらいの顔でめっちゃ怒られて…。』

お米や大豆の栽培は、主に夏。
じりじり照りつける日差しとサウナのような蒸し暑さの中で、農作業を行うのは非常に過酷なもので、毎日の水管理、抜いても抜いても生えてくる草、農薬や化学肥料を使わないからついてしまう虫、一つひとつ目で見て、人の手でしっかり育てているそう。
日々の作物の管理や、作業の段取り、機械のメンテナンスなど、他にももっと細かいものがあるそうですが、農業は様々な分野を1人で考えながらやっていくのだそう。ただでさえ農業は大変な作業ですが、農薬や化学肥料を使わない栽培となると、その手間は私たちが想像する以上に過酷なものでしょう。
北原農園も所属する〝江北町有機研究会〟も、発足時は約13軒の農家が集まったそうですが、無農薬栽培は大変な手間暇がかかるため、徐々に実践者は減少し、今では北原農園を含め3軒の農家で取り組んでおられるそうです。
『〝自然相手の仕事だからこそ、日々の観察や手入れが大きく影響してくる。〟これが、お父さんが長い年月をかけて築き上げてきた知識や経験の見せどころかな。江北町は土地の利便性とか優位性とかでいったらたぶん薄い。恵まれた土地じゃなくても美味しいお米が作れるのは、お父さんの長い歴史の賜物だと思います。』

『2年目くらいでやっと、友達とか親戚とかにも自分が作ったお米を食べてもらえて、〝おいしいね〟って言われて嬉しかったです。』食べてくれる人がちゃんと視野に入って、北原さん自身と農業と人がつながったことで気持ちが変わりはじめ、責任も感じられたそう。
北原さんのモチベーションとなった〝人〟とのつながり。それは江北町で一緒に農家を営む〝仲間〟も含まれていました。
『近所のおじちゃんがブドウ作ってて、おすそ分けしてもらえる。子どもも美味しそうにずっとパクパク食べてて。夏はブドウで冬はイチゴ。そういうの見てたら佐賀に来て農業やってよかったなって思います。』
農業をはじめて5年、最初は怖かったお父さんも、過ごす時間が長くなり、だんだんと優しくなってきたそうです。『それって、北原さんの頑張りとかを認めてもらえてるからじゃないですか?』と尋ねると、『んー、そうだといいけど…』と照れたように笑っていたのがとても印象的でした。

『私たちの体は、食べたものからできています。体に良いものを食べ続けると健康な体に。逆に、体に悪いものを食べ続けると不健康な体になっていきます。その食べ物は田んぼや畑で作られますよね。その田んぼや畑が何から作られているかって考えたことってありますか?』
口にする食べ物こそ、どんな人が、どんな方法で作っているのか知ってほしいと話してくださるなかで、そう北原さんは問いかけました。
『農薬や化学肥料を使って管理・栽培された作物は、当然きれいで安価に購入することができます。でも農薬や化学肥料は、本来の自然の中には存在しない。自然に存在する田んぼや畑に、自然にはない農薬や化学肥料を使用することで、巡り巡って、いつ、どんな形で良くない影響が出るかは誰にも分からない。自然界は、常に循環して営まれていて、当然、人もその循環の中の一つなんですよね。』
昔からずっと〝人間様〟感みたいなものに違和感があったという北原さん。ちなみにジブリは〝平成狸合戦ぽんぽこ〟が一番好きだそうです。北原さんは近い将来だけでなく、子どもたちや、またその子どもたちが過ごしていく未来のことも考えて農業を営まれていました。

北原さんの今の夢を尋ねてみると、
『北原さんのお米はここですか?って訪ねて来てもらうくらいの美味しいお米を作ることですかね。』と、今日一番のテンションで語ってくださいました。
飲食店などで、『美味しいって聞いて来てみた』というのはよくありますが、生産者の元を直接訪ねて来ることはなかなか珍しいかもしれません。さらに北原さんは、地元江北町のことをもっと発信していきたいという想いから、若い農家仲間で〝bellybutton(ベリーボタン)〟という組織をつくり消費者と直接出会う活動をされています。
『〝もっと外に発信すればいいのに。〟ってところから始まりました。隣の長崎にいても、自分も佐賀の魅力って全然知らんかった。佐賀に来てみて、すごいおいしい!という感動と、発信しないともったいない!っていう思いと、その2つを強く感じましたね。』
今、日本の農業は衰退し、後継者問題や米の需要価格の低下、地方の人口減少など、様々な問題を抱えています。
『地方で目立った個人農家さんがいて、盛り上がっているところもあるけど、それって一時的で、病人に薬をあげてる対症療法みたいな。本当はもっと根本的なところから解決して、地方で農業が衰退していかないように、体質改善をしていかないと。』
北原さんは、地域や農業自体を底上げしていくために、まずは地産地消がうまく回ることが大事だと言います。江北町は移住者も多いですが、米や野菜をスーパーで買ってる人が多いのだそう。せっかく江北町で美味しくて安全で新鮮なものがたくさん取れるのに、本当にもったいないことです。

いつも何気なく食べている食べ物は、農家さんの過酷な作業の結果として生まれてくるのだと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになります。環境や体に配慮された農薬・化学肥料を使用していないお米や大豆には、通常の何倍もの時間と手間がかけられていました。
〝北原さんのお米や大豆を知ってもらい、好きになってくれるファンが増えてほしい。〟心からそう願います。そしていつか、北原さんのところに訪ねてくる人が現れる、そんな未来を一緒に作っていきたいと思っています。
これからもsonomono®は、佐賀県江北町と有機研究会、そして北原農園をパートナーとして全力で応援していきます。こだわりの大豆だからこそ生まれる、原料そのものの美味しさ、本当にカラダにいいものがぎゅっと詰まっていますので、ぜひ〝sonomono®納豆菌シリーズ〟をお試しください。




日高 絵美
日本臨床栄養協会認定 NR・サプリメントアドバイザー/発酵文化推進機構認定 発酵食品ソムリエ/そのもの株式会社 代表
IT・広告業界にて健康食品メーカーのマーケティング支援に長年携わる。業界の内側から商品と情報の両方を見続ける中で、「本当に良い商品を見極める眼」を持つことの重要性を痛感し、2007年にNR・サプリメントアドバイザー資格を取得。
消費者庁のガイドライン等でも推奨されるこの専門資格は、健康食品の成分・安全性・科学的根拠について、生活者の側に立って正しく判断・助言できる専門家の証。資格取得以来、原料の選定・製法・エビデンスの検証まで、その眼を自社ブランドの商品づくりに注ぎ続けている。

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