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超加工食品が骨密度・骨折リスクに与える影響|骨の健康との関連性を研究から解説

目次

超加工食品とは?

「超加工食品」とは、食品の加工度を分類するNOVA分類法において、加工度が高く、工業的な原料や食品添加物を多く含む食品のことを指します。

代表的なものとして、以下のような食品があります。

  • スナック菓子
  • 炭酸飲料
  • インスタント食品
  • ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉製品
  • 食品添加物などを含むパンやピザ

超加工食品は、安価で手軽に食べられ、長期保存ができる便利な食品です。
一方で、飽和脂肪酸や砂糖の割合が高く、エネルギー摂取量が多くなりやすいことが指摘されています。

また、加工度の高い原料や食品添加物などを多く使用することから、健康への影響を懸念する声もあります。近年では、超加工食品が身体に与える影響について、さまざまな研究が進められています。

今回は、その中から超加工食品の摂取と骨密度、骨折リスクとの関連性についての研究をご紹介します。

超加工食品は骨の健康にも関係する?

チューレーン大学(アメリカ)公衆衛生学分野の Lu Qi らの研究チームは、英国バイオバンク(UK Biobank)のデータを用いて、超加工食品摂取と骨密度および骨折リスクの関連を調査しました。

この結果は、The British Journal of Nutrition 誌の 2026年 3月 6日号に掲載されました。

研究の結果、超加工食品の摂取量が最も高い群は、最も低い群に比較して、骨密度(BMD)が有意に低下し、骨折リスクが増加することが示されました。

これまでの研究でも骨への影響が指摘されていた

先行する動物実験や横断的研究において、超加工食品の摂取が骨の発達や骨密度に悪影響をおよぼすことが示されていました。

本研究は、ヒトによる大規模コホートでの長期間追跡データを用いた前向き研究結果となります。

約16万人を12年間追跡

本研究は、英国バイオバンクの参加者 163,855名(平均年齢 56.0歳,男性 45.5 %,女性 54.5 %)を対象として実施されました。超加工食品の摂取量は、WebQ(24時間食事記録)から NOVA分類法に基づき算出・評価されています。

骨密度は、DXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)測定データから、骨折は医療記録から特定されています。

参加者は、超加工食品の摂取量から 3群に分類され、1日平均摂取量は 8.1 サービングであったと報告されています。1サービングとは、1つ(1人分)の超加工食品を摂取していることを意味しています。

12年間の追跡で骨折7,889件を確認

12年の追跡期間中に、大腿骨の骨折が 1,097件、骨折が 7,889件確認されています。

骨密度(BMD)に関しては、大腿骨、特に大腿骨頚部と大腿骨転子部のBMDが有意に低下することが確認されています。また、腰椎と全身のBMDも有意に低下することが確認されています。

超加工食品が増えるほど骨折リスクも上昇

骨折リスクに関しては、超加工食の摂取量が 1標準偏差(1SD)増加するごとに、

  • 股関節骨折リスク: 10.5 %増加
  • 全骨折リスク:2.7 % 増加

させると報告されています。1標準偏差(1SD)は、3.7サービング/日に相当します。

年齢や体格によって影響に違いも

BMD低下と骨折リスク増加の傾向は、65歳未満の参加者および低体重者で顕著に確認されたと報告されています。

65歳以上では、BMD低下の傾向はあるものの、統計的有意性は低いと報告されています。また、過体重・肥満者では、BMD低下の影響はやや緩和される傾向にあると報告されています。

一方で、性別、喫煙・飲酒と、超加工食品摂取の関連は有意な相互作用が確認されていません。

ただし、著者らは、それぞれの層でBMD低下と骨折リスクの程度は異なるものの、全体として、超加工食品の摂取増加はリスク増加に関連すると警笛を鳴らしています。

この研究の限界

本研究の制約事項として、著者らは、主に以下の点を挙げています。

① 研究対象者の特徴

UK(英国)データバンクの参加者は一般集団より健康志向が高い傾向にあります。そのため、研究結果をそのまま一般の人々全体に当てはめるには、一定の制約があります。

② 食事記録の限界

食餌データは複数回評価されていますが、長期的な個人の習慣を完全に反映しているものではありません。

③軽度の骨折を見逃している可能性

骨折は医療記録に基づき評価されていますが、医療機関を受診していないような軽度の骨折は見逃されている可能性があります。

著者らの見解:超加工食品を控えることが骨の健康につながる?

著者らは、超加工食品の摂取が骨の質や微細構造に影響を与える可能性が示唆されたことから、超加工食品の摂取制限の重要性を述べています。

そして、食事の質改善や超加工食品の摂取制限が骨の健康維持に重要であるとも述べています。

骨の健康を支える「3つの栄養素」

今回の研究からも、超加工食品の摂取を制限し、ホールフード(未加工食品・天然食品)を積極的に摂取することが、骨の健康維持にとって大切であることがわかります。

骨形成、骨密度低下予防、骨折・骨粗しょう症予防には、次の三つの栄養素が大切であるとされています。

  • カルシウム
  • ビタミンK2
  • イソフラボン

これらは「骨粗しょう症予防三銃士」とも呼ばれています。

カルシウム・ビタミンK2・イソフラボンの働き

カルシウム

カルシウムは、骨を構成する主な成分です。骨の健康を維持するために欠かせない栄養素です。

ビタミンK2

ビタミンK2は、骨にカルシウムをくっつける糊のような役割をするとされています。

イソフラボン

イソフラボンには、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きが報告されています。

この3つを積極的に摂取することが、骨密度低下の予防や、骨折・骨粗しょう症の予防につながることが期待されています。

カルシウム・イソフラボン・ビタミンK2はどんな食品から摂れる?

カルシウムを含む食品

カルシウムを含む食品としては、小魚や牛乳などが代表としてあげられますが、動物由来のカルシウムは吸収性が悪いという問題があります。

逆に、含有量はやや少ないものの、植物由来のカルシウムは吸収率が良いとする報告もあります。この植物由来のカルシウムを豊富に含む野菜としては、

  • モロヘイヤ
  • 小松菜
  • 春菊
  • チンゲン菜
  • オクラ
  • 枝豆

などが挙げられます。

イソフラボンを含む食品

イソフラボンは、大豆や大豆製品に多く含まれる成分です。

代表的な食品として、

  • 納豆
  • 豆腐
  • 豆乳
  • 味噌
  • きな粉
  • 大豆

などが挙げられます。

ビタミンK2を含む食品

ビタミンK2は、食品では納豆に特に豊富に含まれています。また、チーズなどの発酵食品や、肉・卵などの動物性食品にも含まれています。

中でも納豆は、ビタミンK2の一種であるメナキノン-7(MK-7)を豊富に含む食品として知られています。そのため、ビタミンK2を摂取する食品として、納豆は代表的な選択肢の一つといえるでしょう。

納豆は骨の健康を支える3つの栄養素すべてを含む食品

納豆は「骨粗しょう症予防三銃士」である

  • カルシウム
  • ビタミンK2
  • イソフラボン

の3つの栄養素を含む食品です。

特に、納豆に豊富に含まれるビタミンK2は、骨の健康を支える栄養素の一つです。毎日の食事に納豆を取り入れることは、これらの栄養素を補う方法の一つといえるでしょう。

日頃の食事で骨の健康をサポート

今回の研究では、超加工食品の摂取量が多いほど、骨密度の低下や骨折リスクの増加と関連することが示されました。

日頃から超加工食品に偏りすぎない食生活を心がけ、ホールフードを取り入れていくことは、健康的な食習慣をつくるうえで大切です。

納豆とカルシウム豊富な野菜、小魚や牛乳(乳製品を含む)を合わせて摂り、骨の健康維持を意識してみるのはいかがでしょうか。

参考文献

1) H. Hui et al., Associations of ultra-processed food intake with bone mineral density and fractures in the UK Biobank, Br J Nutr, 2026 Mar 6:1-34.
   Doi: 10.1017/S0007114526106710.
2) 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 : 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
この記事の監修者
納豆博士|小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問・九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

小笠原 和也

そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

略歴・著書・論文実績等 詳細へ

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