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納豆、納豆菌、ナットウキナーゼ。似たような言葉がたくさんあると混乱しますよね。今回は、納豆、納豆菌、ナットウキナーゼの違いについて解説しましょう。
納豆は、日本の伝統的な発酵食品であり、その食経験は千年以上といわれています。蒸煮した大豆に、納豆菌を吹きかけて発酵させて作ります。発酵の過程で、大豆の良質なタンパク質を吸収しやすいアミノ酸やペプチドに分解し、栄養豊富で吸収性の良い食品に変化させます。
また、ナットウキナーゼ、ポリアミン、5-アミノレブレン酸(5-ALA)などの健康成分をたくさん含みます。特有の香りとネバネバが特徴的な発酵食品で、日本のみならず世界中でも注目されている健康の維持増大に寄与する食品の一つです。

納豆菌は、細菌(バクテリア)の一種類で、納豆の製造に必要不可欠である一方、稲わらを始めとして自然界に広く存在します。納豆の発酵過程で、タンパク質やデンプンを分解する酵素を作り、大豆の栄養成分を吸収しやすい形に分解します。また、ナットウキナーゼ、ポリアミン、5-アミノレブレン酸(5-ALA)などの機能性成分も作ります。栄養細胞状態と芽胞状態の二つのライフサイクルを持ち、芽胞状態になると 100 ℃の熱や胃酸、放射線にも耐える最強の生き物の一つです。
また、納豆菌は整腸薬の主成分やサプリメントとしても使用されています。この納豆菌は、純粋培養され、キレイに水洗いし乾燥させたものであり、その他の成分は含まれません。
細菌(バクテリア)は単一の細胞から成るもっとも原始的な生き物で、人類が誕生するはるか以前から地球上に生存していたといわれています。ちなみに、人間は 60 ~ 70兆個の細胞から構成されています。

ナットウキナーゼは、納豆菌が作るタンパク質を分解する酵素です。納豆の中にも含まれます。ナットウキナーゼは納豆菌のみが作る酵素で、他の全ての生物は作ることが出来ません。
ナットウキナーゼは、タンパク質を分解する酵素ですが、血栓の主成分であるフィブリンというタンパク質を非常に強く分解するのが特徴です。ただし、この作用は中性から弱アルカリ性(pH 5 ~ 9)でしか働きません。それより酸性やアルカリ性になると、ナットウキナーゼは壊れてしまいます。また、熱にも弱く、60 ℃以上になるとナットウキナーゼは壊れてしまいます。これらは、タンパク質を分解する酵素の一般的な特徴と同じです。
酵素は、特定の物質を分解したり合成する機能を持っていますが、生き物ではありません。酵素とは、色々な化学反応を触媒する機能を持ったタンパク質です。
ナットウキナーゼはサプリメント・健康食品として使用されていますが、その製造方法には二つあります。まずは、納豆菌を純粋培養し、ナットウキナーゼを濃縮したものです。ナットウキナーゼが高含有で、ビタミン K2と納豆の臭いがないタイプのものが主流です。もう一つは、納豆菌の培養物をそのまま乾燥させたものや、納豆を乾燥させたものです。主に中国で製造されており、ナットウキナーゼ、ビタミン K2などの栄養成分・有用成分を丸ごと摂れるのが謳い文句になります。ただし、ナットウキナーゼのサプリであることを標榜していない「粉末乾燥納豆」は、この中に含まれません。
ちなみに、ナットウキナーゼ 100 % の製品も存在しません。日本では、純粋な酵素は医薬品として取り扱われるためです。

以上をまとめると、次のようになります。
1) 納豆
食品。蒸煮した大豆を納豆菌の働きで発酵(変化)させた食べ物。
2) 納豆菌
生き物。細菌(バクテリア)の一種。胞子を作ると熱や酸、放射線にも負けない最強の生き物の一種。人の役に立つ有益菌の代表。
3) ナットウキナーゼ
酵素(タンパク質の一つ)。納豆菌が作る、タンパク質を分解する酵素。タンパク質の中でも血栓(フィブリン)を非常に強く分解する。

小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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