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老化は制御できる?アンチエイジングには「プロバイオティクス」「ポリアミン」が効果的

生きて腸まで届く 納豆菌を毎日手軽に。そのもの納豆
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目次

「加齢」と「老化」は大きく異なる

ヒトは生まれた瞬間、正確には受精後から成長を始めます。
やがて、ある時から〝老い〟を感じ始めます。生物学的には20歳代で身体は完成し、その後は劣化してくるのが定説とされています。

老いを語るのに「加齢」と「老化」という言葉がありますが、この二つは大きく異なることをご存じでしょうか?

「老化」は予防することや治療することが可能

老化のスピードは個人差があります。これは、老化には遺伝的要因や生活・環境要因が複雑に影響を与えており、機能低下の速さはすべてのヒトで同じではないためです。

すなわち、「老化」とは〝自然現象〟ではなく〝生理機能の低下〟あるいは〝ある種の疾病〟なのです。そして、機能低下や疾病は、抑制(予防)することや治療することが可能となります。

老化は「抗う」から「制御」するステージへ

近年では、『アンチエイジング』の和訳を『抗老化』にとどめず『老化制御』とする研究者が増えています。「抗う」ステージから「制御」するステージへと進化してきているのです。

いわゆる老化現象とは、次のような症状を示します。

  • 臓器機能の低下 : 皮膚の変化(しわ、たるみ、しみ 等)、神経系の疾病(動作緩慢、アルツハイマー症 等)、筋・骨格系の劣化(骨粗鬆症、サルコペニア等)、感覚器官能力の低下(老眼、白内障、難聴 等)、消化器・循環器・泌尿器系能力の低下(咀嚼・嚥下力の低下、便秘、高血圧症、失禁、頻尿 等)など
  • 予備力・回復力の低下 : ストレスを感じたときに対応できる潜在能力(予備力)の低下や病気の生じやすさ、弱った状態から元の状態まで戻る回復力の低下(いわゆるフレイル状態)など
  • 恒常性維持機能の低下 : 恒常性維持機能(外気の温度に合わせた体温調節能力、血糖値のコントロール能力、血圧調節能力 など)の低下、外部環境変化への適応能力の低下
  • 日常生活動作(ADL)能力の低下 : 病気やケガにより、安静期間が長くなることによる関節拘縮・筋力低下などの運動器機能の低下や褥瘡の発症、深部静脈血栓症、尿路感染などの発症など

様々な老化現象を引き起こす「炎症老化」

では、老化現象の原因は何でしょうか?
近年の研究で、加齢に伴い臓器や細胞レベルで発生する慢性炎症が免疫機能の低下や環境変化への適応応答機能を破綻させていることがわかってきました。この慢性的な炎症は「炎症老化」と呼ばれています。

炎症老化により、健康な正常細胞の一部が異なった性質に変化し、様々な老化現象を引き起こしているのです。

また、変質した「老化細胞」が組織や臓器に蓄積することにより、悪循環を増加させます。一部の変質した老化細胞は、正常な細胞集団と異なり、SASP因子(老化細胞由来炎症促進因子)を過剰に放出し、細胞外の環境に影響を与えるとともに、健康な正常細胞に細胞老化を誘発ことがわかっています。

逆に、ある種の変質した老化細胞を取り除いたマウスでは、固体寿命が延長することも報告されています。

老化現象を引き起こす原因はその他にも多数あると考えられ、その根本的な仕組みはまだまだ不明な点が多いのが現状です。今後の研究が待たれます。

ポリアミンとプロバイオティクスがアンチエイジングのカギ

そして、2024年に Cell Metabolism 誌に、現在、臨床で試験されている最も有望なアンチエイジング効果を発揮し得る 8つの食品・医薬品に関する総説が掲載されました。その中に、スペルミジンとプロバイオティクスが含まれています。

ポリアミンの一種「スペルミジン」

スペルミジンは、サーチュイン(長寿)関連因子として話題となった、ポリアミンの一種類です。基本的には細胞内で合成されますが、日々、食品や発酵食品から摂取し補ってもいます。食品の中では、納豆中のポリアミン含量が特に高いことが知られています。また、納豆菌や酵母が多くのポリアミンを生産することが知られています。ちなみに、市販納豆 1パック(45 g)中には 2 ~ 3 mg のポリアミン(スペルミジン)が含まれています。同じ重量で比較した場合、牛肉の約 2倍の含有量になります。そして、毎日 1パックの納豆を摂り続けることで、血液中のポリアミン濃度が上昇し、健康長寿に寄与していることが報告されています。

プロバイオティクスの最高峰「芽胞状の納豆菌」

プロバイオティクスとは、「ヒトの腸内で働き、健康に寄与する生きた微生物」のことです。プロバイオティクスは、発酵食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料、味噌、納豆など)から摂取するのが一般的です。そして、公益財団法人 腸内細菌学会の用語集には、7つの「プロバイオティクスの条件」が明記されており、これらの条件を完璧に網羅しているのが「納豆」であり、その機能性の主は「芽胞状の納豆菌」です。芽胞状の納豆菌が、プロバイオティクスの最高峰と言っても過言ではありません。

アンチエイジング(老化制御)に効果が期待される食品を積極的に摂取し、若々しい心身を維持しましょう。某ファストフードのCMではありませんが、「今が一番若い」のです。

参考文献

1)高齢者の身体的特徴 健康長寿ネット : 公益財団法人長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-undou/shintaiteki-tokucho.html
2) 加齢に伴う身体の変化 : MSD マニュアルジ
   https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/24-%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E3%81%AE%E4%BD%93/%E5%8A%A0%E9%BD%A2%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%86%E4%BD%93%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96
3) 加齢と老化の違い : 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
   https://www.aging-regulation.jp/topics/topics-01.html
4) 高齢者の身体と疾病の特徴 : 公益社団法人 東京都医師会,介護職員・地域ケアガイドブック
5) 大藪葵,亀井康富 : Aging Clockと老化制御,化学と生物,63 (3), 123-131, (2025)
6) L. Guarente, D. A. Sinclair and G. Kroemer. Human trials exploring anti-aging medicines, Cell Metab., 36 (2), 354-376 (2024)
この記事の監修者
納豆博士|小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問・九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

小笠原 和也

そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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