

プロバイオティクスという言葉を耳にしたり、見たことがある人は多いのではないでしょうか?
「プロバイオティクス」とは、「人体の中において、自然界に存在する微生物と同じ、あるいは類似している生きた微生物(例:細菌)であり、健康に有益であるかもしれないと考えられている。」と定義されています。
厚生労働省 eJIM プロバイオティクスについて知っておく5つのこと / 出典:「5 Things To Know About Probiotics」Written by US Department of Health and Human Services, National Institute of Health
また、公益財団法人 腸内細菌学会の用語集には、「Fuller(1989)により「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義され、これが現在でも広く受け入れられている。」と説明されています。
つまり、「ヒトの腸内で働き、健康に寄与する生きた微生物」ということです。
プロバイオティクス(生きた微生物)は、発酵食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料、味噌、納豆など)、医薬品(整腸薬)、機能性食品から摂取するのが一般的です。
ヤクルト中央研究所の加藤氏の論文では、プロバイオティクスが健康状態に影響を与える対象として、下記があげられています。
これらの対象者には、一定程度の影響や効果があると記されています。決して、特別な状態のヒトばかりではなく、多くの人にも当てはまることがわかります。
そして、公益財団法人 腸内細菌学会の用語集には、「プロバイオティクスの条件」として、下記項目が明記されています(注:括弧内は筆者加筆注釈)。
重要なのが「①安全性が保証されている」と、「⑤宿主(ヒト)に対して明らかな有用効果を発揮できる」こと。ハードルが高いのが「③胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる」だと考えられます。
そして、これらの条件を完璧に網羅しているのが「納豆」であり、その機能性の主は「芽胞状の納豆菌」です。
なぜ「芽胞状の納豆菌」が完璧と言えるのか、それぞれの項目について、解説していきます。
納豆および納豆菌は、千年以上に及ぶ食経験から安全性が確認されています。また、100年以上にわたり納豆菌が使用されていますが、納豆菌による食中毒などの報告はありません。
納豆菌は、Bacillus subtilis var. natto という、Bacillus(バチルス)属の細菌です。腸内細菌叢の研究で、Bacillus属が腸管内に常在していることが確認されています。
納豆菌(芽胞状の納豆菌)が生きて胃を通過し腸管にたどりつくことを、私たちの科学検証動画で証明しています。
納豆菌は、腸管で増殖していることも研究で証明され、論文化されています。
納豆菌は、ヒトに対する有効性も証明されており、乳酸菌やビフィズス菌の働きを助けます。整腸剤などでも使われています。
食品(生納豆、こな納豆)としての効果も証明されています。
納豆は比較的安価であり、スーパーや通販などで容易に入手し、食べられます。
このように、納豆が条件の全てを満たしていることを、多くの研究結果(論文)と市場(マーケット)がそれを証明しています。
芽胞状の納豆菌が、プロバイオティクスの最高峰と言っても過言ではありません。日々の食生活に納豆を取り入れ、健康な体を維持して行きましょう。ただし、その納豆は「芽胞状態の納豆菌」を豊富に含むことが重要です。
納豆菌は生きるのが難しい環境になると、「芽胞」という強いバリアをつくります。この芽胞のおかげで、納豆菌は胃酸に負けず生きたまま腸まで届くのです。納豆を選ぶときは、「芽胞状の納豆菌」を多く含むものを選びましょう。
化学農薬・化学肥料不使用で栽培された佐賀県江北町産大豆を独自の「そのもの納豆菌」で発酵した納豆100%使用したパウダータイプの納豆。納豆をフリーズドライ(凍結乾燥)で粉末化することで、納豆の栄養や生きて腸まで届く「芽胞状の納豆菌」を効率的に摂ることができます。
化学農薬・化学肥料不使用で栽培された佐賀県江北町産大豆を独自の「そのもの納豆菌」で発酵した納豆のフリーズドライ(凍結乾燥)粉末を100%使用して植物性ハードカプセルに詰めました。納豆の栄養や生きて腸まで届く「芽胞状の納豆菌」を手軽に習慣にできます。
参考文献・サイト
1) 厚生労働省 eJIM プロバイオティクスについて知っておく5つのこと
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/07.html
2) 5 Things To Know About Probiotics : US Department of Health and Human Services, National Institute of Health
https://www.nccih.nih.gov/health/tips/things-to-know-about-probiotics
3) プロバイオティクス(Probiotics): 公益財団法人 腸内細菌学会,用語集
https://bifidus-fund.jp/keyword/kw030.shtml
4) 加藤豪人:ヒトにおけるプロバイオティクスの有効性と腸内細菌叢との関わり,腸内細菌学雑誌,33, 175-189 (2019)
5) 竹村浩 他:納豆菌 Bacillus subtilis MC1 芽胞を含む納豆の摂取が健常成人女性の排便および糞便内菌叢に及ぼす影響,生活衛生, 53, 11-18 (2009)
6) M. Hatanaka, et al.:Influence of Bacillus subtilis C-3102 on Microbiota in a Dynamic in vitro Model of the Gastrointestinal Tract Simulating Human Conditions, Benef Microbes, 3, 229-236 (2012)
7) K. Kono et al.:Fluctuation in Intestinal Microbiota Following Ingestion of Natto Powder Containing Bacillus subtilis var. natto SONOMONO Spores: Considerations Using a Large-Scale Intestinal Microflora Database, Nutrients 2022, 14, 3839. https://doi.org/10.3390/nu14183839
小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。
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