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大豆や豆腐などに含まれるレクチンは危険?納豆や味噌を食べるべき理由

生きて腸まで届く 納豆菌を毎日手軽に。そのもの納豆
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目次

畑のお肉「大豆」。危険な成分があるってホント?

皆さん、大豆食品はどのくらいの頻度で食べていらっしゃいますか?

大豆は「畑のお肉」とも呼ばれ、良質なタンパク質の代表的な食材です。タンパク質の含量も高く、アミノ酸スコアも 100 と優れています。また、日本食品標準成分表で確認すると、乾燥大豆(黄大豆)は、タンパク質が31~33%、脂質が20~23%、炭水化物が約30%と、栄養バランスも良いことがわかります。

ですので、積極的に食べているという方も多くいらっしゃると思います。しかし、一見良いことだらけのように思えますが、実は注意が必要な事項があります。

大豆などに含まれるタンパク質「レクチン」

大豆に含まれる代表的なタンパク質に「レクチン」があります。レクチンは、動物・植物・微生物・ウイルスに広く存在する糖タンパク質です。糖タンパク質とは、タンパク質に糖が結合した物質です。多くの糖タンパク質が生体内で様々な働きをしています。

レクチンは大豆だけではなく、植物性食品、動物性食品に広く含まれています。比較的レクチンを多く含むものとして、豆類全般、玄米、小麦粉(パン、パスタなど)、蕎麦、シリアル、じゃがいも、砂糖、スプラウト、チアシード、トマト、茄子、きゅうり、南瓜、メロン、とうもろこしなどがあります。小麦に含まれるグルテンもレクチンの一種です。植物だけではなく、牛、豚、鶏、魚などにも含まれています。

レクチンの危険性は?

レクチンを摂取すると、膨満感、吐き気、嘔吐、下痢を引き起こすことが知られています。これは、レクチンが腸の内膜を刺激するからであると言われています。大豆を含む植物がレクチンを作り出すのは、捕食者を弱らせて自分達が食べられないようにする、自己防衛システムであるとも言われています。

欧米のある研究者は、現代の生活習慣病(肥満、糖尿病)、アレルギーなどの自己免疫疾患、がん、認知症の原因としてレクチンをあげており、レクチンが現代人の健康を阻害していると述べています。彼らは、レクチンフリーやグルテンフリーの食習慣がダイエットや健康に寄与すると述べています。

レクチンは、沸騰水中で 5 ~ 10分以上加熱すると毒性が無くなります。充分な加熱調理や発酵などにより、無毒化することが必要です。

大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連性の研究

また、国立がん研究センターの研究チームによる、大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連性に関する研究が行われ、論文化されています。

本研究は、国内在住の45 ~ 74歳の人々のうち、食事調査票に回答し、がんになっていなかった約9万人を対象に約17年間追跡調査した結果に基づいて、大豆食品とその後の膵がん罹患との関連を調べたものです。

調査方法は、食事調査アンケートの結果を用いて、総大豆食品・発酵性大豆食品(納豆と味噌)・非発酵性大豆食品(豆腐(味噌汁の具材も含む)、湯豆腐、冷やっこ、ゆし豆腐、高野豆腐、油揚げ、豆乳)・各大豆食品(納豆、味噌、豆腐類、ゲニステイン)の摂取量を計算し、等分に4つのグループに分け、最も少ないグループと比較したその他のグループの、その後の平均約17年間の膵がん罹患リスクを調べています。

4つのグループ大豆食品の種類
総大豆食品発酵性大豆食品と非発酵性大豆食品の合計
発酵性大豆食品納豆、味噌
非発酵性大豆食品豆腐(味噌汁の具材も含む)、湯豆腐、冷やっこ、ゆし豆腐、高野豆腐、油揚げ、豆乳
各大豆食品納豆、味噌、豆腐類(豆腐、湯豆腐、冷やっこ、ゆし豆腐の合計)、ゲニステイン(イソフラボンの一つ)

結果① 総大豆食品摂取量が多いと膵がん罹患リスクが高い

多目的コホート研究(JPHC Study) 大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連 : 国立研究開発法人 国立がん研究センターより引用

その結果、総大豆食品摂取量が多いと、膵がん罹患リスクが高いという関連がみられました。同様の関連性が、非発酵性大豆食品摂取においてもみられました。しかしながら、発酵性大豆食品(納豆、みそ)摂取において関連はみられなかったと報告しています。

結果② 豆腐類の摂取が多いと膵がん罹患リスクが高い

多目的コホート研究(JPHC Study) 大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連 : 国立研究開発法人 国立がん研究センターより引用

また、個々の大豆食品では、豆腐類の摂取が多いと膵がん罹患リスクが高いという関連がみられましたが、その他の大豆食品において関連は見られなかったとも報告しています。

納豆や味噌などの発酵食品は安全

本研究で、レクチンと膵がんの関連については述べられていませんが、加工度が低い大豆食品(豆腐など)では下痢などのほか、膵がん罹患リスクが高くなる可能性があるので注意が必要なようです。

大豆を摂取する時は、充分な加熱調理や加工を行うか、望ましくは発酵食品(納豆、味噌)で摂るのがより安全なようです。

まとめ

以上をまとめると、下記のようになります。

  • 大豆は良質なタンパク源であるが、「レクチン」を含むので注意が必要。
  • レクチンは植物性食品、動物性食品に広く含まれている。
  • レクチンは沸騰水中で 5 ~ 10分以上加熱すると毒性が無くなる。
  • レクチンを無毒化するためには、食品を充分に加熱調理するか発酵させることが必要。
  • レクチンやグルテンの摂取は、生活習慣病やアレルギーなどを引き起こし、人の健康を阻害しているとの説もある。
  • 大豆や豆腐類の摂取が多いと膵がん罹患リスクが高くなるので注意が必要。
  • しかし、納豆や味噌はレクチンが含まれず、膵がん罹患や健康を害するリスクとは関連性がない。

健康を意識して大豆食品を食べる時は、納豆や味噌などの発酵食品を積極的に選ぶとより安全です。

参考文献・サイト

1) 日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
2) 食のパラドックス(原題 The Plant Paradox)、Steven R. Gundry 著、白澤卓二 訳、翔泳社 SE Book
3) レクチンとは : 三菱ガス化学株式会社、LECTIN & GLYCOANALYSIS NEWS  https://www.cosmobio.co.jp/support/technology/document/LECTIN_NEWS-1.pdf
4) 天然の毒から身を守る : 山形県衛生研究所
  https://www.eiken.yamagata.yamagata.jp/oldhp/topics/doku/dokuni1.htm
  https://eiken.yamagata.yamagata.jp/oldhp/topics/doku/dokuni.htm
5) 多目的コホート研究(JPHC Study) 大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連 : 国立研究開発法人 国立がん研究センター
  https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8492.html
6) Y. Yamagiwa, N. Sawada, et al: Soy Food Intake and Pancreatic Cancer Risk: The Japan Public Health Center–based Prospective Study. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev, 29(6) June (2020)
この記事の監修者
納豆博士|小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問・九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

小笠原 和也

そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

略歴・著書・論文実績等 詳細へ

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