大豆ミートの危険性とは?原料や添加物に要注意

生きて腸まで届く 納豆菌を毎日手軽に。そのもの納豆
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大豆ミートの安全性は?

代替肉の一つとして「大豆ミート」を目にする機会が増えてきました。

大豆ミートは、大豆や大豆加工品などを原料とした加工食材であり、肉のような食感や風味の食品に加工されます。様々な工夫により、本物の肉と遜色のない食品が流通したり食べられるようになって来ました。大豆ミートのメリットはいくつもありますが、安全性に問題はないのでしょうか?

大豆ミート原料の大豆はほぼ遺伝子組み換え大豆

大豆ミートの主な原料は、丸大豆、脱脂大豆、大豆たん白、大豆ペプチド、でん粉(加工デンプンを含む)、エンドウたん白、食物繊維などです。これらのうち、大豆由来の原料は、丸大豆、脱脂大豆、大豆たん白、大豆ペプチドです。「大豆ミート」とは言っても、全ての原材料が大豆由来ではないのも事実です。

また、現状で、大豆の国内自給率は 6 ~ 7 %しかありません。残りの93 ~ 94 %は、アメリカ、ブラジル、カナダ、中国などからの輸入に頼っています。そして、輸入品の9割以上が遺伝子組換え大豆です。つまり、日本に流通する大豆の約 84 %は遺伝子組換え大豆なのです。つまり、大豆ミートの原料である大豆は、ほぼほぼ遺伝子組換え大豆であると言えます。

遺伝子を組換えた大豆が流通するようになり随分と年数がたちました。遺伝子組換え大豆が危険であるとのデータはありません。しかし、逆に、安全であると判断されるほどデータ等が蓄積されていないのも事実です。

大豆ミートの原料「脱脂大豆」の安全性は?

大豆ミートの主な原料の一つである「脱脂大豆」とは、大豆から大豆油を搾った残りを乾燥させたものです。

「大豆油を搾る」と書きましたが、実際には、丸大豆からヘキサンという有機溶剤を使用し油分(大豆油)を抽出します。ヘキサンは人体に有害な有機溶剤です。ヘキサンは取り除かれ、残っていないことが確認されていますが、欧米ではヘキサン抽出法への疑念が依然として残っているのが実情です。

脱脂大豆はさらに、タンパク質を濃縮した「大豆たん白」、タンパク質を酵素分解した「大豆ペプチド」に加工されます。これらは食品原料に近いですが、原料の丸大豆からは、かなりの工程を経て製造されたものです。脱脂大豆はハンバーグやミートボールなどの加工食品の〝つなぎ〟として使われるほか、牛や豚の飼料としても利用されています。

原材料表示を確認して選ぼう

大豆ミートを使用した食品は、肉のような食感や風味に仕上げるために数多くの食品添加物が使用されます。

特に使用が多いと言われているのが、増粘剤であるメチルセルロース(CMC)、安定化剤の加工デンプン、結着剤のポリリン酸塩やメタリン酸塩などです。

食品添加物は安全性も確認されており、使用量も制限されているため必ずしも悪いものではありませんし、現代の加工食品の利便性にも大きく貢献しています。しかし、その一方で食品添加物に抵抗感や疑念を持っている方がいるのも事実です。

大豆ミート食品のように超高度に加工されたものは、複数の食品添加物を多量に使用している場合も多々あります。肉のかわりに大豆を使用するのは良いと思いますが、食感や風味を近付けるために数多くの添加物を使用することには少し疑念が生じます。大豆ミート食品を選ぶ場合は、食品表示をチェックし、自分の嗜好に合ったものを選ぶことが大切です。

参考文献・サイト

1) 遺伝子組換え作物とは : バイテク情報普及会
https://cbijapan.com/about_use/usage_situation_jp/
2) 食用大豆 -アメリカ大豆の魅力-,U.S. SOYBEAN EXPORT COUNCIL :
https://ussoybean.jp/soy-power/foods
3) 植物油が出来るまで : 株式会社J-オイルミルズ
  https://www.j-oil.com/oil/manual/can/
この記事の監修
納豆博士|小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問・九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

小笠原 和也

そのもの株式会社学術顧問/九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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