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近年、体づくりにはタンパク質の摂取が重要だという見方が広まってきています。この記事では健康と美容にとって必要不可欠な、タンパク質について解説します。中でもとりわけ優秀な納豆のタンパク質について、詳しく紹介します。

タンパク質が不足すると壊れたタンパク質を作り替えることができず、様々な体調不良につながる可能性が高くなってしまいます。
肌や髪、筋肉を含め、私たちの全身の細胞は、日々古くなったものが壊され、新しく作り変えられています。たとえば肌の細胞は約20日で新しいものになります。年齢と共に肌のハリやツヤがなくなってきたり、筋肉が衰えてきたりするのは、肌や筋肉を構成するタンパク質を作る力よりも、壊れていくスピードが早くなるからなのです。
高齢者に多い白内障もタンパク質が壊れることで起こる病気です。目の水晶体(すいしょうたい)は光を集めるレンズの役目をしており、タンパク質で出来ています。正常な状態では透明なのですが、老化などによりタンパク質が変性して白く濁って来るのが白内障です。卵の白身に熱を加えると、透明な状態から白く濁った状態になるのと同じ現象です。
日々のトレーニングで理想の体づくりを心がけている方はもちろんのこと、きれいな素肌や、つややかな髪を手に入れたいと思っている方、加齢による症状を緩和、改善したいと思っている方など、多くの方にとって、タンパク質は極めて重要なキーワードです。
タンパク質の摂取は健康にも、美容にも欠かせないことがわかったとして、ここで一つ疑問が立ち上がるのではないでしょうか。
自分のタンパク質の摂取量は十分なのだろうか――。もしかしたら、タンパク質を補うという観点では、誤ったライフスタイルになっているかもしれませんし、すでに不足のサインが出ているかもしれません。
「健康的な食事をしているから大丈夫」と思っている方も、一度、立ち止まってチェックしてみましょう。その生活、意外とタンパク質不足かも!?
当てはまると思った項目にチェックを入れてください。
チェックが入った数が多いほど、タンパク質不足の可能性が高いと言えます。
タンパク質不足を解消するためには、タンパク質の評価値「アミノ酸スコア」の高い食品を食べることがおすすめです。
アミノ酸スコアとは、食事などで摂ることが必要なアミノ酸を基準にしたスコアのことで、対象の食品中の窒素1グラムあたりに占める必須アミノ酸含有量を計算した評価値です。
栄養学の観点から、タンパク質の栄養成分としての価値は、含まれる必須アミノ酸の種類と比率によって決められます。
含まれる必須アミノ酸の中で、何か一つでも少ない成分があれば、タンパク質はその少ないアミノ酸を上限としてしか、体内で合成されません。これを「アミノ酸の桶の理論」と言います。

アミノ酸スコアでは必要なアミノ酸をバランスよく含んだ食品ほど高い数値で表現されます。バランスが悪いと、十分なタンパク質を生成できないからです。
最も優れた食品(タンパク源)である「アミノ酸スコア100」の食品は以下のとおりです。
こうして見てみると、大豆以外はすべて動物性タンパク質。それが一概に悪いというわけではないのですが、同時に脂質を多く摂ってしまう可能性があるのが難点です。そう、タンパク質を上手に摂取したい人にとって大豆製品は、植物性タンパク質が効率的に摂取できる強い味方なのです。

大豆製品と聞いて、私たちがすぐに思いつくのは、やはり「納豆」でしょう。納豆は牛肉やマグロと同じ「アミノ酸スコア100」の食材。人の体(=タンパク質)をつくるために必要な9種類全ての必須アミノ酸が含まれているのです。
納豆に含まれるタンパク質量は、1パック50グラム中、約8.25グラムです。この数値を他のアミノ酸スコアが高い食品と比べてみましょう。
| 食品名 | たんぱく質量(可食部50gあたり) |
|---|---|
| 糸引き納豆 | 8.25g |
| 挽きわり納豆 | 8.30g |
| 鶏むね肉 皮つき(生) | 9.75g |
| 鶏むね肉 皮なし(生) | 12.20g |
| 全卵(生) | 6.10g |
| きはだまぐろ(生) | 12.15g |
| 牛かたロース 赤肉(生) | 9.55g |
納豆はタンパク質の量においても、他の食品と比べて引けを取らないことがわかります。
さらに、納豆は調理しなくてもそのまま食べられるので、手軽にタンパク質を補給できる点も魅力です。タンパク質を摂りたいときは、食事に一品「納豆」を追加してみてはいかがでしょうか?

タンパク質は、アミノ酸がたくさん繋がったものです。
アミノ酸が二つ以上結合したものを「ペプチド」、十個前後のものを「オリゴペプチド」、十数個以上になると「ポリペプチド」、更に多く結合したものを「タンパク質」と呼びます。多くのタンパク質は 100個以上結合した大きなもの(高分子)です。
食べ物から摂取したタンパク質は、胃で消化されてアミノ酸やペプチドになり、腸で吸収され、体内の必要な個所に運ばれて行き、筋肉や内臓、酵素など、様々なものに利用されます。
アミノ酸の中でも、必須アミノ酸と呼ばれる 9種類(イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)は、人の体内で合成することができないので、日々、食事によって補充する必要があります。

タンパク質は、水分・炭水化物(糖質+食物繊維)・脂質と共に重要な栄養成分であり、体を維持・構成する成分です。 体の中でタンパク質が占める割合は 15 ~ 20 % です。皮膚、筋肉、臓器(内臓)、血管はタンパク質でできています。さらに、髪の毛や体毛、爪、目(眼球)もタンパク質です(一部、その他の成分も含みます)。タンパク質は「体」を形成する重要な成分なのです。
また、タンパク質は代謝にも大きく関わっています。体の中では休みなく数多くの化学反応が起きています。この化学反応を代謝と呼びます。代謝のほぼ全ての反応には酵素が重要な働きをしています。この酵素もタンパク質でできています。
タンパク質は生命反応そのものを担っている重要な成分でもあるのです。

食事から摂取するタンパク質には、「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」があります。それぞれの違いを見ていきましょう。

動物性タンパク質とは、豚肉、鳥肉、牛肉、牛乳及び乳製品(チーズ、ヨーグルト等)、魚類、卵などに含まれるタンパク質です。馬肉、海洋哺乳類(クジラ、アザラシ)、昆虫なども同じです。
動物性タンパク質は、必須アミノ酸全てを含んでおり、良質なタンパク源といえます。その反面、多くのコレステロールや脂肪も同時摂取することになり、摂り過ぎると肥満や生活習慣病を招く恐れがあります。また、胃での消化に時間がかかりエネルギー消費が大きい一面があります。
また、動物を育てるためには大量の飼料(エサ)が必要であり、経済的な負荷が大きく、持続可能的ではないなどの問題点もあります。魚類についても、漁獲高の変動による経済的不安定性や、海洋汚染・水産資源枯渇問題などから持続可能性に大きな問題を残しています。

植物性タンパク質は大豆などの豆類が主であり、小麦やトウモロコシなどの穀類も含まれます。広い意味では野菜全般や果実、海藻も含まれます。
これらの中でも、特に大豆は動物性タンパク質と同じく必須アミノ酸を全て含む良質なタンパク源であり、「畑の肉」とも呼ばれています。また、大豆には脂肪分も十分に含まれていますが、植物由来の油脂は体につきにくい、つまり、肥満になりにくい特徴があります。
同じ量のタンパク質と脂質を取った場合は、植物性の方が体に優しいのです。最近では、大豆が「代替肉」として注目されているのもそのためです。一方、米や小麦などの穀類や野菜のタンパク質は含有量も少なく、必須アミノ酸の中にも不足しているものなどがあります。低カロリーである点は優れていますが、それだけではタンパク源としては不十分な場合が多いのです。

人間にとって欠かすことのできないタンパク質。日々の食事の中で十分な量を摂取するのは簡単なことではありませんが、その力強いメッセージとなってくれるのが「納豆」です。
納豆のアミノ酸スコアは、肉類や魚、卵と同様に、100という最高値です。体内で合成できない必須アミノ酸を十分に含んでいるので、体内のタンパク質の合成を促進してくれることが期待できます。納豆はタンパク質の他にも食物繊維が豊富に含まれていたり、ビタミンK2の含有量が多く、カルシウムの吸収を促進するなど、様々な健康効果も期待できます。
効率的なタンパク質の摂取を実現しながら、健康的な食事バランスの維持に貢献してくれる納豆で、理想の体づくりを目指しましょう!
納豆博士納豆などの良質なタンパク質を摂って、健康に気を付けていきましょう!

小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。




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