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納豆特有の成分と言えば、あのネバネバですね。
ネバネバの正体は、ポリグルタミン酸<Poly–γ–Glutamic Acid>、略して PGA。「ポリ」はたくさんを表し、〝グルタミン酸がたくさん繋がったもの〟という意味になります。納豆菌が作る天然の粘性物質ですが、その興味深い性質から、次のような用途で使用されています。
PGA特有の粘性で、水中の小さな粒子を絡めとって大きな塊にして沈殿させることにより、澱んだ水を澄んだ水に変えます。
その他にも、納豆菌をブロックなどに閉じ込め沈めておくと、沈殿物を納豆菌が分解し浄化されます。国内だけでなく海外でも実際に用いられています。
PGA は、最大で自分の重さの 5000倍の水を溜め込むことができます。その能力を保水材(保湿剤)として、砂漠の緑化(砂の中に埋めて植物への水補給に使用)やおむつなどの吸水材などに利用されています。
また、スキンケアやヘアケア商品等にも保湿剤として配合されています。
生分解性プラスチックは、通常のプラスチックと同じように使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物の働きで、最終的に水と二酸化炭素に分解されて自然界への循環するプラスチックです。
PGAは、自然界で短期間のうちに分解される樹脂としても期待されています。
ミネラル(特にカルシウム)吸収促進素材や、口腔保湿材(ドライマウス対応食品)などの用途で、健康食品の原料としても利用されています。
なお、私が最も興味深いと感じているのは、納豆菌が作る PGA の 50 ~ 80%はD-グルタミン酸であること。自然界に存在するアミノ酸には、L型と D型があり、鏡に映した時の様に左右逆になった立体構造をしています。
人間をはじめ、ほとんどの生き物を形成するのは L型アミノ酸で、D型アミノ酸は稀にしか存在しません。
なぜ、納豆菌の PGA にはこんなに多くの D型のグルタミン酸が含まれているのかは謎です。D型アミノ酸の研究は、生命の発生と進化、そして地球上の生物とは異なる生命機能を持った者(地球外生命体)の研究に繋がって行く可能性を秘めているのです。
まだまだ、納豆には不思議がいっぱい詰まっているのです。
小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/
九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。
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