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【納豆博士が解説】 日本伝統の発酵食品「漬物」の種類や健康効果とは?

生きて腸まで届く 納豆菌を毎日手軽に。そのもの納豆
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目次

伝統的な発酵食品「漬物」。製法や栄養素は?

日本には伝統的な発酵食品が数多くあります。今回は、漬物についてご紹介致します。

漬物は、野菜、キノコ、海藻などを主原料とし、塩、味噌や醤油などの発酵食品・発酵調味料、からしなどの材料に漬け込んだ食品で、通常、副食としてそのまま食べられるものです。

昔は、野菜が無くなる冬に向けた保存食品であり、重労働によって失った食塩の補給源、野良仕事や山仕事に携帯する食品でもありました。現在の様に、通年で野菜が入手でき、低温貯蔵を始めとする貯蔵・保存方法が発達してからは、食事を引き立たせる副菜としての色合いが濃くなっています。

鹿児島のツボ漬け、熊本(水俣)の寒干したくあんなどの伝統的な製法は、海水に漬けた大根を乾燥・漬け込むものであり、塩漬けは海水利用の進化形であると考えられます。

漬物の栄養素は?塩分過多にはならない?

タンパク質や脂質などの栄養素は低いものの、身体の代謝機能を潤滑にするミネラルやビタミン、お腹の調子を整える食物繊維が豊富に含まれています。塩分の摂り過ぎが指摘されている昨今では、減塩品が多くなっています。

個人的には、食物繊維には過剰なナトリウム(ミネラル)を吸着・排泄する効果もあり、ナトリウム以外にカリウムやマグネシウムを含む天然塩を使用することや野菜に含まれているミネラルによってミネラルバランスもとれ、ナトリウムの摂取過多にはならないので、ことさらに減塩を気に掛ける必要はないと考えています。

漬物の種類は全部で12種類。微生物が発酵させる漬物とそれ以外

漬物には数多くの種類がありますが、加工方法などにより、次の12種類に分けられます。

乳酸菌や酵母などの微生物のチカラで発酵させた漬物

  1. (長期)塩漬:白菜、高菜、野沢菜などを塩で長期間漬け込んだもの
  2. ぬか漬:たくあん、白菜、キュウリなどをぬかで漬け込んだもの
  3. 味噌漬:山菜、ごぼう、ナスなどを味噌で漬け込んだもの
  4. 粕漬:ウリなどを酒粕などで漬け込んだもの。奈良漬、わさび漬けなど
  5. 麹漬:乾燥大根などを麹で漬け込んだもの。べったら漬けなど
  6. からし漬:ナスなどを和辛子(粉)で漬け込んだもの
  7. モロミ漬:ナスやキュウリをモロミや醤油で漬け込んだもの
  8. その他(1):すぐき漬、すんき漬、しば漬 など

微生物がほとんど関与しない漬物

  1. (短期)塩漬:白菜、キュウリなどを塩で短期間漬け込んだ浅漬けなど
  2. 醤油漬:根菜類、山菜などを醤油で漬け込んだもの。福神漬、山菜漬など
  3. 酢漬:ラッキョウ、生姜、カブなどを食酢、梅酢などで漬け込んだもの
  4. その他(2):梅干し、紅生姜 など

実は、一部の漬物は微生物により発酵された食品ではないので、必ずしも「漬物 = 発酵食品」ではないのですが、発酵調味料を使用して作られるものもあり、広い意味で「発酵食品」とするのもありだと考えられます。

なお、袋詰めされた刻み漬物(白菜、キュウリ、高菜、野沢菜など)で、安価で販売されている物の多くは、塩漬け野菜を脱塩し、調味液と共に袋詰めした後で加熱殺菌された加工食品で、伝統的な漬物とは製法が異なります。ただし、厚生労働省が定めた定義の元では「漬物」に分類され、上記の「微生物がほとんど関与しない漬物:①(短期)塩漬」などとされます。

漬物の発酵にも使われる乳酸菌のはたらきと効果

漬物の発酵を行う乳酸菌や酵母は、元々、原料である野菜、米ぬか、調味料に由来するものですが、長らく発酵を続けていると、発酵に適した菌が優勢となり、その環境に住み着くことで、同様な発酵が継続できると考えられています。

古くは、乳酸菌による発酵は、乳酸の生成により腐敗や食中毒菌の増殖を抑える保存食品とすることが中心であり、付随効果として、原料となる野菜類の味や香りなどの食味に変化を与え食事を彩るものでした。しかし、近年では、乳酸菌が生産する機能性成分が注目されるようになりました。

さらに、漬物の発酵を行う乳酸菌の多くは、腸内細菌の善玉菌と同じ菌であることから、乳酸菌や漬物自体がプロバイオティクスとして考えられるようになってきました。これらの効果として、病原菌の感染予防、便秘や下痢の解消、アレルギー反応抑制を含む免疫賦活化作用などが報告されています。また、ヨーグルトなどに含まれる動物由来乳酸菌よりも、植物由来の乳酸菌の方が酸に強く、腸への到達率が高いとする報告もあります。

伝統的な発酵食品「漬物」の健康効果を見直そう

以上のように、日本では多くの漬物が作られ、食されています。農林水産省のホームページには、各地の郷土料理を紹介した「うちの郷土料理」というページがあります。各地域の漬物や郷土料理が紹介されていて、なかなか興味深い資料でした。

また、海外にも多くの漬物が存在します。ザーサイ(中国)、キムチ(韓国)、ピクルス(欧米)、ザワークラウト(ドイツ)など、日本人になじみの深いものが多くあります。

食のグローバル化が進む現代において、日本では年々、漬物の消費量が減少しています。また、減塩の流れから、伝統的な漬物の製法が変化してきているのも事実です。近年の風潮として、出来合いのお弁当が身近になった若者の間では、漬物は温かい総菜や付け合わせであるとの認識が多いとも聞きます。お弁当ごとレンジで温めるためだそうです。

伝統的な発酵食品である「漬物」の製法や健康効果を見直す時期に来ているのかもしれません。

参考文献・サイト

1) くらしと微生物:村尾澤夫・藤井ミチ子・荒井基夫 共著、培風館
2) 宮地茂雄:漬物と微生物、日本食品微生物学会雑誌, 22 (4) , 127-137 (2005)
3) 長谷川武夫、他:植物性乳酸菌による生理活性作用, 鈴鹿医療科学大学紀要, 第11号, 48-56(2004)
4) うちの郷土料理 農林水産省ホームページ

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小笠原 和也

小笠原 和也 
そのもの株式会社学術顧問/
九州大学大学院 農学研究院 特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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