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日本には伝統的な発酵食品が数多くあります。今回は、かつお節についてご紹介致します。
かつお節は、鰹の身を煮た後に乾燥させ、カビを付けて発酵させた食品です。煮物・汁物料理の出汁を取るために使われたり、そのまま或いは調理して副食として食べられるものです。かつお節には、「荒節」、「枯節」、「本枯節」があります。
生の鰹の頭と内臓を取り除き、水洗い、三枚おろし、加熱、骨抜き、燻蒸(10日以上)の工程を経て出来上がります。約 1ヶ月程度を要します。表面の燻蒸部分を取り除いたものを「裸節」と呼びます。前述の様に、荒節には発酵工程がありません。
荒節にカビを付けた後、天日干しにする工程を 2回以上繰り返し、発酵させたもので、約 3ヶ月程度を要します。
枯節にカビ付けと天日干しをさらに繰り返し、合計3 ~ 6回発酵熟成させたもので、6ヶ月以上かけて作られます。本枯れ節は「みがき節」とも呼ばれます。
発酵熟成を重ねるごとに、上品な風味のかつお節となります。和食の根底を成すかつお出汁は、丁寧な手間暇を掛けた仕事の結果として織り成されるのです。
かつお節の歴史は古く、最初に文献に登場するのは712年(奈良時代)のことです。日本最古の歴史書である古事記に登場する「堅魚(カタウオ)」が、かつお節の原型とされています。
堅魚は 3世紀中頃(弥生〜古墳時代)に作られていた、カツオを素干しにしたものです。堅魚は、煮てから干した「煮堅魚(ニカタウオ)」と、煮堅魚の煮汁を煮詰めた「堅魚煎汁(カツオノイロリ)」に加工され、保存食品や調味料として使われていたとされています。
鰹は、古くから日本人の貴重なタンパク源や調味料の一つであったことがわかります。なお、青森県八戸遺跡では、約8,000年前の縄文時代のカツオ遺骨が発見されています。
その後、室町時代に入ると、干しカツオや煮干しカツオに「焙乾(燻乾)」という技術が導入され、現在のかつお節に近いものが作られるようになりました。焙乾とは、堅魚をワラなどで燻してから干す工程です。今の荒節の原型です。
江戸時代には、この燻乾法で加工されたものがさらに改良されていきます。長期間の流通の間にも腐敗しない様に、カビを付ける方法が考え出されました。
カビを付けることにより、表面への雑菌の付着を防止するとともに、水分を取り除き、雑菌の繁殖を防ぐことが出来ます。また、発酵過程でカビが作る脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きで、脂肪が色々な香り成分へと変化し、かつお節特有の香りが醸し出されて行きます。
同様に、カビが作るタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の働きで、タンパク質がアミノ酸へと分解され、うま味が増していきます。江戸時代後期から明治時代になると土佐、薩摩、伊豆節が三大名産品として全国に広がって行きました。
伊豆節は、土佐節をさらに改良し燻乾に時間をかけ、カビ付けも4回以上行い、今の本枯節が出来上がりました。明治36年までには、かつお節の製法は本枯節が主流となりました。
現在のかつお節の発酵には、主に、Eurotium herbariorum(ユーロティウム ハーバリオラム、和名:カツオコウジカビ)が使用されており、焼津鰹節組合が純粋培養した種菌を販売しています。
以前は、カビ付け庫に住み着いており、自然と付く、Asupergillus glaucus(アスペルギルス グラウカス、和名:草色カビ、カツオブシカビ)、Aspergillus repens(アスペルギルス レペンス)が使用されていました。これらのカビは、水分が少ない環境でも良く生育し、タンパク質分解酵素や脂肪分解酵素の生産性が高いのが特徴です。
かつお節のうま味成分は、主にイノシン酸であり、核酸系調味料の一つですが、アミノ酸も豊富であり、グルタミン酸との相乗効果も若干期待されます。
かつお節は、高タンパク質・低脂肪(タンパク質 = 77.1 g/100g、脂質 = 2.9 g/100g)の良質な食品であり、9種類の必須アミノ酸も全て含まれています。また、EPA や DHA、ミネラルも多く含まれています。出汁がらにも多くの栄養成分が残っており、余すところなく使うのが望ましい食材です。
EPA や DHA は、血中の中性脂肪やコレステロールの低減効果、血流改善効果、記憶力や学習能力の向上効果が期待される成分です。また、カリウムや一部のペプチド(かつお節由来ペプチド)には、血圧上昇抑制効果が期待されています。さらに、疲労軽減効果が期待されるペプチドも含まれています。
かつお節と同様に出汁を取るための食材として、宗田鰹(マルソウダ)を原料とする宗田節、ゴマサバを原料とするサバ節、ムロアジを原料とするむろ節、イワシ(カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ)を原料とする鰯節、キメジ(キハダマグロの幼魚)を原料とするマグロ節、シロサケを原料とするサケ節などがあります。これらの節は、荒節同様、焙乾と天日干しで作られ、カビ付けによる発酵工程はありません。かつお節(枯節、本枯れ節)が、いかに特徴的な発酵食品であるかがわかります。
参考文献・サイト
1) くらしと微生物:村尾澤夫・藤井ミチ子・荒井基夫 共著、培風館
2) かつを雑学 : 株式会社にんべんホームページ
https://www.ninben.co.jp/about/katsuo/
3) 鰹節の歴史 : カネサ鰹節商店ホームページ
https://katsubushi.com/catalog3/
4) 鰹節のカビ付けとは一体何?読めば判るカビ付けの理由と4つの効果 : 小林食品株式会社 「和食の旨味」
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/katuobushi-mold
5) かつおぶし丸与 丸与有限会社ホームページ
https://www.maru-yo.co.jp/column/5609/
6) 日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
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小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/
九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。
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