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食品アレルギーは、特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応があらわれる疾患です。これまで食べられていた食べ物でも、突然発症する可能性もあります。
食品アレルギーの中でも、「納豆アレルギー」があるのをご存知でしょうか?今回は、納豆アレルギーのご紹介です。
食品によるアレルギーは深刻な問題です。特に昨今では、子供の牛乳、卵、小麦、米アレルギーが増えており、保護者の方々の悩みの種になっています。
納豆の原料である大豆も、厚生労働省が定めるアレルギー物質の内、包材などへの表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの(22品目)」の一つです。
大豆を良く食べる日本人やアジアの人々には、比較的大豆アレルギーは少ないのですが、あまり食べる習慣のない欧米人には、大豆アレルギーを発症するケースがあるようです。そして、納豆アレルギーがあるのをご存じでしょうか?
私が初めて「納豆アレルギー」の話を聞いたのは、15年程前です。
納豆アレルギーについては、横浜市立大学医学部皮膚科の猪又先生が精力的に研究されていました。その当時では、まだ2、3例の納豆アレルギーしか報告はありませんでした。
ただし、困ったことに、納豆アレルギーは遅発性アナフィラキシーといって、納豆を食べてから半日(5~14時間)程度後になって、重篤なアナフィラキシーショックを引き起こすのです。
アナフィラキシーショックが起これば、最悪、呼吸困難で死に至ります。早期に、アドレナリンを注射すれば回復します。私達は、猪又先生から、アレルギー物質を特定する研究の一つとして、ナットウキナーゼの精製品の提供を求められたのです。研究の結果、アレルギー物質はナットウキナーゼではないことが証明されました。
それから10年程が経ち、猪又先生によりアレルギー物質が特定されました。それはなんと、ポリグルタミン酸(PGA)、納豆のネバネバが犯人だったのです。その原因究明に至る道のりは、興味深いものでした。
数少ない納豆アレルギー患者を調査する中で、ある共通点が見つかりました。それは、患者さんの約80 % がサーファーやダイバーだったのです。その中の一人が、中華クラゲを食べてアナフィラキシーショックを起こしました。
そう、原因は「クラゲ」だったのです。
クラゲは、触手の中の触覚細胞にポリグルタミン酸(PGA)を持っており、触手が標的に触れるとポリグルタミン酸(PGA) の浸透圧調節作用により、毒針を超高速で差し込むのです。患者さん達は海にいる時に繰り返しクラゲに刺され、それが納豆アレルギーを引き起こしていたのです。
クラゲに刺された経験のある方は、納豆を食べる際には気を付けた方が良いようです。また、ポリグルタミン酸(PGA)配合のスキンケア商品をお使いの方も発症のリスクに注意が必要です。
納豆とクラゲは、ポリグルタミン酸(PGA)を持つという意外な共通点があったのです。よく海に行く方は、クラゲ刺されに十分気を付けてくださいね。
小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/
九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。
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