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納豆菌は一般的には〝枯草菌の一種〟と言われています。しかし、私を含めた多くの学者が異論を持っているのです。
なぜなのか、納豆菌と枯草菌の違いを解説していきましょう。

「納豆菌」というのは、和名もしくは一般名で、正式な学術名があります。
Bacillus subtilis subsp. natto(バチルスサブチルスサブスピーシズナットー)が納豆菌の学術名です。
微生物の学術名は、分類学上の属名と種名の組合せからなります。人間でいうと、姓と名になります。バチルスが属名で、サブチリスが種名です。「subsp.」は亜種を意味し、バチルス属サブチリス種の亜種のナットー君ということになります。

subsp. (サブスピーシズ)は、var. (ヴァリエーション)と表記する場合もあります。
ちなみに、Bacillus subtilisは和名で「枯草菌(こそうきん)」と言われます。日本では時々、バチルス属ナットー種(Bacillus natto)とされることもありますが、国際的・学術的には認められていないのです。
微生物分類学の世界において最も権威のある分類書のBergey’s Manual(バーギィズマニュアル)では、納豆菌は枯草菌の亜種(似てるけど少し違う)とされています。これには(私を含め)多くの学者が異論を持っています。
納豆菌と枯草菌は明らかに異なる微生物なのです。例えば、下記のような違いが挙げられます。

また、ある研究で、納豆菌(宮城野菌)のゲノム配列解析の結果、予測された4375個の遺伝子の内、納豆菌と枯草菌に共通する遺伝子が82.4 %、納豆菌に特有の遺伝子が14.3 % と確認されているのです。
納豆博士ゲノム情報と納豆醗酵の関係性は依然として明確にはなっていません。研究の道のりは遠く険しいのです。

納豆菌は、発酵の過程でさまざまな有用成分を作り出すことが知られています。
とはいえ、「毎日納豆を食べるのは少し大変…」という方も多いのではないでしょうか。そのもの納豆やこな納豆は、納豆菌を手軽に取り入れられるカプセル・粉末タイプの食品です。
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小笠原 和也
そのもの株式会社学術顧問/元九州大学大学院 農学研究院 特任准教授
熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 39年間にわたる納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。





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